「ワルの知恵本」読了

ワルの知恵本

ワルの知恵本

図書館でお目当ての本の隣にあったので手に取りました。何か思うところがあったわけではないのですが、よい息抜きになるかなぁ、と。内容はいたってその辺にありそうなものなので触れませんが、気になったのは以下の一文。

 作家の司馬遼太郎氏のことを、氏と親しい人がマスコミで「人たらしの名人だ」と語っていた。相手の長所や美徳をほめ、相手をとりこにするのにひじょうに長けていたというのだ。
 ところが、家では、テレビにでてくる人たちのことをボロカスに批判していたらしい。司馬氏が面識ある人のことを批判していたのかどうかはわからないが、家庭では、眼力鋭く、テレビに登場する人たちを批評していたのだろう。(P.12)

新装版 竜馬がゆく (1) (文春文庫)でも有名な司馬遼太郎氏をこう評している文章を初めてみたので驚きました。特に司馬遼太郎ファンではないので、人となりは知らないのですが。まぁ人を評する目と人物を料理する術に長けた人だったのかなぁ、と個人的に思います。だから登場人物がいきいきとした小説を描けるのかしら。